「稀代の変哲」とも称され、水曜日のカンパネラ・コムアイなどからも称賛を得るミュージシャン、清水煩悩が対談連載企画『煩算』をスタート。
音楽家、囲碁インストラクター、武蔵野美術大学職員、一橋大学社会学研究科 博士号課程、僧侶、芸術家、俳優、ラジオパーソナリティーといった様々なジャンルの「巷の人」をゲストに迎えつつ、足したり引いたり掛けたり割れたりしながらトークを展開。
来年リリース予定の3rdアルバムやミュージック・ビデオへと繋がるであろう本企画。
清水煩悩が、何を誰と語り合うのか、CAMPFIREで開始された150万円クラウドファンディングと合わせて、是非とも注目してほしい。
第3回目となる今回のゲストはインタビュアー・ヤマグチナナコの旧知の友人、俳優の田代友紀を招き実施。対談では「言葉を大事にする人」「やりたくないことをやらないで生きていくのはいいこと」「やりたくないことが減ること」など、様々なクエスチョンを言葉の選択から考える。
『煩算』第3回、お楽しみくださいませ。
初対面だけど、私的には3回目みたいな気持ち
–二人は初対面ですよね。
田代:初めまして。でも、私的には3回目みたいな気持ち。
煩悩:わかるかも。
田代:わかるの?⠀ナナコちゃん(※インタビュアー・ヤマグチナナコ)が描いた『清水煩悩に気をつけろ』っていうライブのチラシを見たときが、自分的には”初めまして”だったかな。そのときは「気をつけなくちゃいけない人なのかな」って思った、心のナイフが尖っているイメージ。
田代:そのあと『煩算』の対談が決まった時に、初めて写真をInstagramで見たの。そしたら、イラストの印象よりも、華がある人だなって思って。それらも換算すると、今日が3度目の正直…的な出会い。煩悩君はなんだかすごく…愛情をたくわえそうな顔をしてる。
煩悩:愛情をたくわえそうー!(叫ぶ)
–煩悩君から見たゆきちゃんの第一印象は?
煩悩:今日、ほとんど情報貰わずお会いしたんやけど、なんとなく思ってる感じと合ってた。ナナコちゃんの紹介で「ゆきちゃんはすごく言葉を大事にする人で」って言われたとき、ああもう大丈夫やろうなあって思った。「最高やん」って言った。実際に会ったら、聞いていた通りの人やったから、その感覚が田代さんが言ってた”会って3回目”っていう感じと近いというか。
田代:煩悩君が書いたんだろうなっていう文章をInstagramで読むと、「あ、すごく練ってるな」って分かる。例えば、「ここめちゃくちゃ考えてひらがなにしてるでしょ」みたいな部分とか。
煩悩:ひらがな好きやから。あるかも、そういうの。
–ゆきちゃんは女優さんなんですよね?
田代:なんて呼んでくれてもいいんですけど、自分は女優だと思って生きていないというか。2つの理由があって、「俳優」だったらいいんだけど「女優」、あえて女っていうのもなんだか…っていうのがある。
煩悩:俳優って言いたい。
田代:「女優」とか冗談では言ったりするんだけど、実際に表現するとしたら「役者」や「俳優」になるかな。あと、普段は自分が役者ってことを忘れてるかも。役者もするし、影絵もするし、図工の授業のアシスタントをやったりもするしね。私は私かなって。
煩悩:自分のことを「ミュージシャン」とか「音楽家」とは言ったりするんやけど、例えば「フォークシンガー」とか言ったことなくて。ジャンルみたいなのがなんか苦手で…。音楽やってるとは言いたいんやけど、どんな音楽やってるかとか聞かれたらいつも困る。ジャンルとかなんか嫌やなあと思ってる。俳優さん的にはそういうのある?
田代:出演した映画とか、舞台とか、今までに出た作品のことは語るけど、別にそれだけをこれからもやっていくとは限らないから、上手く曖昧にできる言葉を探してる。
–それをはっきりと答えられないことに、悩む人も多いですよね。だから、今のゆきちゃんの”曖昧さ”って参考になるし、そういう形でいいんだって思う人は一定数いると思います。ゆきちゃん自身は、曖昧さに悩んだ時期はありましたか?
田代:何ができるかがハッキリした方が一緒に何かをする人がわかりやすいんだろうと思うから、「●●ができます」っていうのは言いたい。けれど、今のところそこにはまだ至ってなくて。今の自分って、鉄がどろどろの状態なんですよね。刀にして研いだ方がもちろん良いんだけれど、今は「何の形にもなれますよ」っていう風にしておきたい。いつかは決まりたいと思います。
煩悩:一生決まらんかもしれやんしなあ。みんな。
田代:形が変わってもいいしね。
できるエネルギーがあれば絶対使ったほうがいい
–クラウドファンディングについて、もともと抵抗はありませんでしたか?
田代:選択肢として普通にあるかなと思うし、必要だったらやればいいと思う。私は辞書を”あ”から”ん”まで読むタイプだから、煩悩君たちのクラウドファンディングのページも全部読んだよ。ちゃんと自分ごととして捉えた結果だけど、「好きにやったらいい」っていうか。やりたいことはやった方がいいし、できるエネルギーがあれば絶対使った方がいい。
煩悩:「自分ごと」っていう言葉が出たけど、自分ごとにしたのは今回のインタビューがあったから?
田代:そうだね。自分ごととしても考えたし対談にもし誘われなくていなくても、これを見たときに自分がどう思うかっていうのも考えた。それでも、思ったことは一緒だね。
–清水煩悩の曲やPVは観ましたか?
田代:Youtubeとかで聴けるやつは全部聴いたかな。
煩悩:今過去のやつほとんど消しちゃってて。ストリーミングとかも全部消したし。
田代:それは何かあったの?
煩悩:一回やめようかなと思ったのが今年の半ばくらいかな。すごく極端な話で言うと、昔に引っ張られるのがその時はすごく嫌で。その時に思ったのが、「ストリーミング配信始めました」っていう人はいても「辞めました」っていう人は見たことなかったから、一回辞めてみようって思った。いつでも再開しようと思えばできるけど、そうやって「やめる」って言えちゃう人とかもおらんのかもと思ったりして。その時はもう今回の新しい3rdアルバムに焦点がいってて、そこに注力したかったから、っていうのもある。
田代:4曲くらい聴けたけど、どれも好きだった。シャラボンボンが特に好きかな。
煩悩:歌詞だけあった曲をレコーディングの最中に即興で演って、1テイク目で録ったのをそのまま使った。僕も結構好きやなあ。
田代:そういう良さってあるよね。絵を描くときに、一番最初に描いた線を消しちゃいけないって言う先生がいて。もう二度と同じことはできない、みたいな良さってあるよね。
煩悩:うんうん。
なりたいからなったっていうのはあまりなくて、全部成り行き
–お芝居や図工の先生って、遠くはないけど近くもないことをしているような気がします。何か共通点はあるんですか?
田代:私は、一般の高校を卒業して、それまでは美術とか全然やってなくて。大学に行きたくて2年間浪人してた時に、勉強に興味がなくなっていったんです。
–どんな浪人時代でしたか?
田代:浪人時代は、なんかすごく大切な時間だった。1年目は予備校に在籍してたけど、授業もあんまり行かず、2年目はタクロウ(自宅浪人)、ようはただの引きこもりなんだけど。同級生の友達も大学とかいってるから、会う人もいなくて。そういう時に、「そういえばきれいなデザインのもの好きだったな」とか、「私みうらじゅん好きだけど…あれ?ムサビ?リリー・フランキー好きだけど…ムサビ?」って、武蔵野美術大学が出てくることが多くって。それで調べたら、私でも受験できる学部があることを知った。それが2浪の秋くらい。それで受けてみたら受かったんだよね。入った時点では特にやりたいことは無かったけど、人よりこだわりがあって、そうこうしてたらナナコちゃんと出会って。
田代:ナナコちゃんも一緒だった、美術館での子どもを対象にしたワークショップを企画する授業をとっていて。その繋がりで、子どもたちと影絵をやることがあって。その講師の方との出会いが役者に繋がるんです。その人は劇作家で、大学3年生のときに初めて舞台に出させてもらって、そのあと影絵のほうにも呼んでくれて。影絵の美術を作るのも、自分が出るのも好きだった。それで、舞台とか影絵とか何回かやってたら、今度は大学の友達が「こういうオーディションあるんだけど、どうかな」って持ってきてくれたのが、『菊とギロチン』という映画で。それまでは映画とか出たことなかったし、オーディションも初めて。でも内容がとても魅力的に思えたから、受けてみようと思って、そしたら運良く受かった(笑)。
–もらった台本が山形弁だったとか。
田代:そう。出身が山形の設定で、台詞も全部山形弁で書かれていて。私は「書かれてるってことはそういう風に喋らなきゃ」って思って、山形に近いということで、青森県出身の、しかも元力士の同級生にお願いして、台本を読んでもらったりして。でも、実際にオーディションへ行ったら標準語で台詞言ってる人とかもいてびっくりしたけど、こういう感じなのかなとか思ったり。
煩悩:さっきの作品に魅力を感じたっていうのは、その台本に?
田代:最初に見たのはチラシだけだったの。瀬々敬久監督の作品で、大きな映画館でやるような映画も撮る方なんだけど、これは自主映画で自分でお金を集めて作るっていう映画のチラシで。そこにあった”構想30年の映画で、今この時代にやる意味がある”っていう文言に、すごく熱さを感じた。実際に出演した俳優さんの中には、その映画に出たくて監督に手紙を書いた方もいて。他の現場に行くと「それ僕も出たかったんだよね」っていう方にも会った。そういう現場に巡り合えるのは幸せなことだなと思った。映画の公開は2018年だったけど、撮影はその前の年で、オーディションは2015年くらい。
–それで、大学生活、影絵、役者が共存してるんですね。
田代:そう。こんな感じで、なりたいからなったっていうのはあまりなくて、全部成り行き。環境が恵まれてるっていうのもあるけど、嫌な仕事に就職しましたっていうのもないし、お金を稼ぐために図書館でバイトをしているんだけど、それも性に合ってるし。
–やりたくないことをやらないで生きていけるのは、いいことですよね?
田代:でもそうやって人から言われると自慢できることでもないような。いいっちゃいいけど、私がたまたま運良く恵まれてるからできることで。
煩悩:それが普通になってほしい。悲しい。声が小さくなってまう。
–『煩算』のゲストは、基本的に「誰が何やってもよくないですか」というスタンスの方が多い気がします。
田代:そういう意味では、自分は1浪くらいまでは他人を気にしてたと思う、その時に結構沈んだから。誰とも話したくないし、一言も話さず生きていきたい、土に埋まって首だけ出したい…って考えてた(笑)。そうやって完全に落ち切って、私はもうだめだってなってから、「美術ってこんな私でもいけるじゃん!」って気づけて。そこで初めてちょっと自分で選択した感があった。それまでは何となく名門校っていう理由で学校を選んでたし。美大に入学したあと、私の中で衝撃だったのが、授業中にセーターを脱いでた子がいたの。そのセーターの下が半袖で。そのとき、「そっか、暑かったらセーター脱いでいいんだなあ、なんか自由じゃん」って思った。いま考えたら当たり前で些細なことだけど、すごく覚えてて、それであんまり気にしなくなったかな。
お守りのノート
田代:実はこのノート、私のお守りみたいなもので。今日は武装してきたの、私は言葉にするのに時間がかかるから、なんか書いとこうと思って。あんまり見せられないけど。
煩悩:見たい!
田代:これはバイト先の図書館で、「煩悩」ということについて調べていた箇所。”煩悩”ってそもそもどういう意味だっけ?って考えてて。
煩悩:うんうん。
田代:煩悩は、別に滅却しなくていいっていう。本当に付け焼刃だけどね、煩悩をなくすことが悟りとかではないんだって。それを知ってて名前にしたの?
煩悩:仏教を一年くらい勉強した時期があって。ちょうどその年の瀬に、清水寺で除夜の鐘に並んでた。108人つけるんやけど、僕らは110人目くらい。事前予約が必要で、自分達は鐘をつけやんって分かって。そのとき、友達が「煩悩さん、除夜の鐘をつけないみたいですね」って即興でショートコントを振ってきたのがきっかけで。
田代:それはまだ清水煩悩って名乗ってないとき?
煩悩:そう。その即興コント終わりにふと我に返って。今、清水寺に居る。僕の苗字は清水。今、除夜の鐘を聞いた。京都生まれやし、って。それで〈清水煩悩〉って名前めっちゃいいかも…ってなって決まった。三、四年前くらいやと思う。
田代:名前の由来ってよく聞かれる?
煩悩:よく聞かれる。音楽をこの名前でやり始めたときは「実家がお寺なんです」って嘘ばっかついてた。説明するのがめんどくさかった。あと、名前の印象だけでなぜか恐い人やと思われることも多い。
田代:たしかにドヤッって感じ。
–田代さんはクラウドファンディングの文章を読んでどう思いましたか?
田代:読んでみて…、大変だろうなって。これを読んでもらうまでが大変だよな、と。言葉って聞く人の耳にしか届かないじゃないですか。新宿の駅前で募金を大声で募っても、街往く人にはうるさいだけで、聞く人にしかあの言葉は受け取れないし。
煩悩:普通にクラウドファンディングするだけなら、こんなんやりま〜すだけでいいと思うんやけど。なんかそれじゃダメな気がして、いつ見られてもいいように文章を書いたつもり。そもそも、音楽と文章は相反してるとおもう。当たり前やけど、ミュージシャンは自分の文章じゃなくて音楽を聴いてほしい。ちょっと前までは、服装がお洒落ですね、目が大きいねとか言われることがすごく嫌で敏感やったけど、今は「いくらでもどうぞ!」って感じで気にしなくなった。そういうモードに入ってきてたから、クラウドファンディングも始めれたんやと思う。ちょっと前までは、今回のクラウドファンディング もダサいなあって感じてたと思う。けど、それをしてでも〈作りたい〉って気持ちが勝った。
田代:やりたいが先行して、その手段としてクラウドってことかな。
煩悩:うんうん。結果、みんなに届くのは僕の作品っていうのには変わりないし。僕でいうと1st、2ndのアルバムは身近な先輩に協力して録音してもらった。それが悪いとかじゃなくて、あの頃より色んなこだわりが増えた。やりたいことの予算を考えて、クラウドファンディング になったという感じ。田代さんとしては、俳優さんならではのこだわりとかってある?
田代:あー。こだわりねー。
煩悩:一般的にミュージシャンにとっての作品はアルバムやったりするんやろうけど、俳優さんにとっては映画?
田代:映画に関していうと、私の作品とは言えないじゃない?
煩悩:あ、たしかに。
田代:監督のものでもあるし、みんなのものでもあるし、こういう役をやってくださいって言われてやってるものだし。0から自分の中にあるもの出しましたって感じじゃなくて、台本もらって打ち返しましたってかんじ。
煩悩:どういう風に打ち返すの?
田代:うーん。そこは、いくら演じても私にしかなれないっていうか。演技をした所で、私の身体は変わらないし。
煩悩:俳優さんって引き算っぽいなあって思ってて。いかにこだわりを消すかみたいなイメージがあって、音楽とは違うかなあって考えてた。
田代:でもこだわりというか、その人のクセみたいなのが求められてる人もいると思う。「古畑任三郎のアレがほしいんです」みたいな(笑)。
煩悩:うんうん(笑)。
事務所に入る/入らないの選択
–仕事でくる案件は選んだりしていますか?
田代:今のところ断ったことはないかな。私は、このフォルムもあって、そんなびっくりするような美少女役とかヒロイン役とか来ないだろうし。
煩悩:基本は紹介やオファーがきて受けたり、オーディション受けたりする感じ?
田代:そう。事務所にしかこないオーディションの案件もあったりするみたいで。
煩悩:信頼してるから事務所に送るみたいな。
田代:そうそう。
-事務所に入ろうとか思ったことは?
田代:映画出たあたりは、周りの俳優さんに「事務所入らないの?」って。女力士役をやっていた俳優さんの半分くらいは事務所に所属してたかな。「田代さんみたいな人いないし、入ったらいいんじゃない?」って言われるけど、ほかの活動もあるし、事務所に入ると…やっぱ鉄の形が固まる感じするよね。偉そうに言ってるけど、入れたらの話だけど。ミュージシャンは言われないの?
煩悩:言われるけど、入ってない。
–「煩算」は、巷の人に率直な意見を聴きたいという側面と、悩みを抱えながらインディペンデントで活動する人たちの一助になればという側面がありますよね。そういう意味では、今回はまさにその話ばかりしている気がします。
煩悩:たしかに。読んでる人に何か伝わればいいなあと本当に思う。インディーズアーティストでいえば暮らしと制作のバランス。田代さんは、今は図書館のお金だけで生活してるの?
田代:それもあるし、ちょっと前まで兄と暮らしたり、今は実家にいていいよっていうのがあるから生きているけど、自立ができてるわけではなくて。
-就職したほうがいいかなって言っていた時期はあった?
田代:最近は、お金は必要だけど、なんか自分が仕事ができないなっていうのがだんだん分かってきたし…。”生物多様性”って言葉が好きなんだけど、その多様性を守ろうかな~って気持ちが、今あるなあって。
煩悩:やりたいことだけずっとやってる時って楽しい。でも一番大きなメリットは「やりたくなかったことが減る」ことやと思ってて。例えば一年前にやりたくないって思ってた事も、ずっとやりたいことばっかりやってたら自分に自信もついたりして「あれ?俺ああいうのも角度を変えてやれるぞ」ってなるのが、凄く良い所やと思う。
さっきの話やと、僕は一回就職してて、大学に四年通って4年生で中退したときに就職活動もしてなかったから、大阪で派遣サービスで会社に入って。そのときは音楽もあんまりちゃんとやれてなかった。二年くらいはその会社に居たんやけど、後半の一年は音楽活動と並行。東京と大阪を行き来して、ライブして働いて…とか繰り返したけど、結局辞めた。
振り返れば、あれは「仕事じゃなかったなあ」って思う。仕事してたって感覚があまりなくて。会社の人とかには感謝してる。でも仕事って枠で考えたら、あれは仕事じゃなかったなあと思ってる。最近は人に聞かれたら「音楽してます」って言うのも、仕事やと思ってるからかも。給料貰えるのが遅めの一風変わった仕事。この『煩算』も含め、自分が思う“仕事”は目立つ赤色でカレンダーに入れてるけど、アルバイトは目立たない薄い青で入れてる(笑)。それでいうと、田代さんも“仕事”してるんじゃないですかね。
田代:あー、そうなのかも。
煩悩:事務所に入るとか、もうそういう時代じゃなくなっていくと思ってて。個人個人の集まりみたいになってくと思う。
やりたいことをずっとやってたら、本当にやりたいと思えることがもっと増えそう。その流れで、クラウドファンディングも煩算も始められた。こんな面白いことはそうない。
月火水木金土日、なら”木”
-これからやりたい新しいことってありますか?
田代:新しいこと…新しいことはね…。(ノートを見る)
煩悩:ちなみに僕は、色んな国籍の人たちが集まる4〜500人以上の前で、お客さんに事前に僕から送った環境音を携帯で流してもらいながらライブしたい(笑)。
田代:いいね。うーん…ノート見てみたけど、それについては書いて無かった!
煩悩:こういう人でおりたい、とかもない? たとえば、僕はあんまり押しつけたくない。「あっち行くぞ!」じゃなくて「あっちの草かきわけた道行ったら、気持ちよさそうよなあ」みたいな言い方が出来る人でいたい。でも、そういうのが無いっていうのも良いと思う。
田代:あー、素敵だね。
煩悩:じゃあ月火水木金土日やったら、どれになりたいかにしよう。
田代:私は「木」かなあ。最近私、Instagramで「#figtree(いちぢくの木)」とか「#fruittree(果樹)」をフォローして癒されてるんだよね(笑)。それ以外にも「#focaccia(フォカッチャ)」をフォローしたこともあって。フォカッチャはあんまり更新されなくていつも一緒だなと思って辞めた。
煩悩:「木」がいいっていうのは循環させていきたい、っていうか直接的じゃなくて、自分がそこにおる事で流れを成り立たせたいみたいなこと?
田代:どうだろう、もしこれが「水」だったらどうなるのかなあ。
煩悩:「水」は、「木」より動いてるなあってイメージがある。枠組みの中で自分を保って行動する人みたいなイメージ。自分で言ってて分からんくなってきたけど(笑)
田代:「木」は…鳥とか来るし、なんか役に立ってる感じ。豊かでありたいのかな。
煩悩:鳥めっちゃ来そう。田代さんにはなんか、ホスピタリティがありますよね。
Interview|Yamaguchi Nanako,Naito Manabu
Edit Assistant|BaBa Satomi
Photographer|Zenitani Yuuki
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残、 38日!【清水煩悩3rdアルバム&MV制作】奈良県天川村レコーディング!雪山でMVを撮りたい!
来年、清水煩悩は3rdAlbumをリリースする予定です。今回はそのレコーディングを〈天の国〉と呼ばれる奈良県天川村で行い、「まほう」という楽曲のミュージックビデオを雪山で撮影する為に、本プロジェクトを立ち上げました。支援を通じて様々な人を巻き込みながら、完成度の高い作品を皆様にお届けしたいです。ぜひ、CAMPFIREプロジェクトページの〈もっと読む〉から本文を読んでください。
https://camp-fire.jp/projects/view/198665
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Profile
俳優/影絵つかい
田代友紀(Tashiro Yuki)
1991年生まれ、埼玉県出身。武蔵野美術大学芸術文化学科卒。影絵カンパニー「99roll」に所属。大学在学中、影絵劇のワークショップをきっかけに演劇と影絵に出会う。現在、俳優として活動するほか、影絵つかいとしてタテタカコなどのミュージシャンとの音楽影絵ライブや、子どもたちとのワークショップを行うなど、全国各地で多彩な活動をしている。2018年、映画『菊とギロチン』(瀬々敬久監督)に羽黒桜まつ役で出演。
Instagram: https://www.instagram.com/tashiro_yuki_/
Twitter: https://twitter.com/6oop
稀代の変哲
清水 煩悩(Shimizu Bonnou)
1992年生まれ、和歌山県和歌山市出身。2016年から活動をスタート。現在は2019年9月20日に103歳でこの世を去った“台湾独立運動のゴットファーザー”こと革命家・史明氏が開業した池袋の中華店・新珍味に居住している。
2016年11月、J-WAVEラジオSPARKにて水曜日のカンパネラ・コムアイに「天才じゃない?」と賞賛される。その後、2017年3月に自主制作盤『みちゅしまひかり』を発売、同年には奇妙礼太郎主催ライブ〈同じ月を見ている〉に出演。
2018年4月にP-VINE流通協力のもと、2ndアルバム『ひろしゅえりょうこ』がSNEEKER BLUES RECOREDSから全国リリースした。同年12月には小泉今日子がポップアイコンを努めるFODオリジナル音楽番組「PARK」でTV初出演を果たす。
2019年1月、下北沢 風知空知にてMusicVideo先行上映会&トークショーと題して製作関係者が一同に会したイベントを開催。その後、同年の秋に奥多摩の森で「まほう」「リリィ」の2曲を収録、むこうぎしサウンドのプロジェクトとして公開される。現在は新アルバム・MV制作のために150万円クラウドファンディングを実施中。それと連動し、10月からradioDTMの公式サイトで対談企画『煩算』を連載している。同月、坂本龍一がナビゲートするスペシャル・プログラム。2か月に一度、オンエアしているJ-WAVE「RADIO SAKAMOTO」にて、奥多摩の森で2曲30分一発録音された清水煩悩のライブビデオ「まほう」「リリィ」が紹介される。
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Twitter: https://twitter.com/shimizubonnou
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