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コヤマリョウのSKY(サブカルクソ野郎)/ 漫画「ヨルムンガンド」~個人的に平和です~

radioDTMリスナーの皆さん、お疲れ様です。
コヤマリョウです。
恐怖の超大作「真夏の夜の怖い話2014」は聴いていただけたでしょうか?
私・コヤマリョウ、呪われてしまいましたね。

その因果なのか?先日の夜の事、とても恐ろしい現象に見舞われました。
その名は【蕁麻疹】。それは生まれて初めての経験。
突然やってきた腫れ、それはすこしずつ体の寝食を広げ、痒み・痛み・そして発熱を私にもたらした。もんどりを打つ体と共に私は眠れぬ夜を過ごしました。
そんな時の人間は駄目だね。まともな事が考えられない。
憎しみや妬みに溢れた感情が止まらなくなる。
やっぱり健康じゃない時が、平和とは一番程遠いね。「この世界は悪に満ちている」と思ってしまう。

数日が経ち、体はかなり良くなりました。
やっぱり人間は単純だ。体調が良くなると今度はとても穏やかな気持ちになる。
世界がとても平和に見える。
つまり、平和なんて個人的な感情と観点だ、
と、今回はそういう話。

 

このコラムでは私コヤマリョウが好きなモノを、文化人気取りでジャンルに拘らず節操無く紹介していきます。
あくまでも個人的な視点で対象に対して思った事・考えた事を書いていこうと思います。
このコラムで興味を持ってもらえたり、飲み会のネタの一つになってもらえれば光栄です。
テーマは「曝せ、SKY(サブカルクソ野郎)」です。

 

今回は漫画を紹介。
悪と正義、平和と混沌を考える作品です。
それがコチラ。

「ヨルムンガンド」高橋慶太郎(小学館)

ヨルムンガンド

 

これは武器商人と世界平和の話です。
生きる為に仕事として世界中を渡り歩き武器を売り続ける女武器商人。
家族を武器によって殺され武器を恨みながらも、生きる為に武器を持つしかなかった少年兵。
そんな二人が武器を通して世界平和を求めて・考える旅をする。武器がないと生きられない人達が世界を愛そうとする話です。

 

まずこの漫画、武器が物凄く格好良く描かれています。銃もミサイルも戦闘機も格好良い。これだけで男子のドキドキポイントですね。
しかし、これが重要。「武器は格好良い物なんだ」と、ちゃんと書いてある。
人を殺す道具は魅力を孕んでいて、一度手にすると手放すのが怖くなる、
そう武器の強さと人の弱さを書いている。

この物語には沢山の武器屋と戦争屋が出て来る。そしてそれぞれがそれぞれの正義を持っていて、その為に動くし悩むし人を殺す。
そういう人達が武器を持つのも仕様がない、と明確な理由で納得させられるように描かれたこの物語は一貫した議題を投げかける。
「それでも世界を愛せますか?」と。
21世紀になっても人を殺して成り立つ平和から抜け出せない世界を、主人公の武器商人は自分の平穏を投げ打って平和にしようとする所で物語は終わる。
世界を敵に回して、新しい価値観で世界を変え・平和にしようとする。

 

と、まあ壮大な物語なのですが、
私の思うこの作品の一番の魅力は「個人的な感情」なんですよ。
広い世界を見たらキリがないし、全てを見渡す事なんて出来ない。
それぞれの心の中の戦争は終わる事はない。
人殺しは良くない。でも、しないと自分が死ぬ。
そんな事を色々ひっくるめて、最後は自分の問題に立ち返るようになっている。結局、自分がどうしたら安心とか満足とか幸せが手に入れられるかの話になる。
壮大に人を殺したり傲慢に世界平和を求めるのも個人的な主義主張であるとまとめる。

 

私達が住む世界だってそうだ。
今の世界が平和かどうか正直私には分からないが、
個人的には色々あって自分本位の平和の求め方を色々模索している。
少なくとも私は医者に行くという選択肢をとって蕁麻疹が治まり、一時期に比べ平和になった。
どデカい世界を相手に平和の為戦うのも、結局は個人の感情、
そんな漫画を読んで平和とか生活とかを考えると、少なくとも自分とか身近な人達の幸せ位なら願えますよ。
そんな事を教えてくれる漫画でした。

 

【コヤマリョウ】

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