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石橋英子のシドニーの美術展のために制作された最新アルバム『百鬼夜行』をBlack Truffleレーベルより世界リリース!

石橋英子の最新ソロ・アルバム『百鬼夜行』が、ベーシストのDarin Grayとのデュオ作『Ichida』に続き、Black
Truffleよりヴァイナル・リリースとなる。
本作は、シドニーのニュー・サウス・ウェールズ州立美術館で開催された「ジャパン・スーパーナチュラル」展のために制作され、江戸時代以降の怪談や民話に焦点を当てている。2018年にリリースされた『TheDream
My Bones Dream』 (felicity / Drag
City)と同様に、日本の歴史や過去が現在に投げかける、厄介な疑問に反応するアルバムとなっているが、制作の過程においてもピアノを中心としたソングライティングから離れ、エレクトロニクスやオーディオ・コラージュへのさらなる関心が伝わる作品である。

本作では、シンセサイザー、アコースティック・インストゥルメント、朗読されたヴァース、フィールド・レコーディングなどが重ねられ、時に濃密にミックスされながらも、変化し続ける要素が緻密な相互作用を伴っている。Alvin
Curran、David Behrman、Strafe Für
Rebellionなど先人たちの影響を受けながら、日本の物語に紐付くフルートやストリングスの音や、室町時代の詩人、一休宗純の詩をアルバム全体で繰り返すことで、狂歌をはじめ日本の文学の伝統をダイレクトに描いている。

石橋のライナー・ノートにもあるように、このアルバムは日本文化の根強い危険性、神話、回避、そしてポジティブな変化を脅かすかもしれない不確実性を反映している。このことは、不協和音、不規則な衝突、沈黙に近い音、ボーカルの不気味な加工のすぐ隣に隣に立ち現れるメロディからもわかるだろう。もちろん、石橋の根底にある懸念はもっと広く当てはまる。『百鬼夜行』は多重性と謎と、突然の中断によって思い通りにならない繊細な風景に満ちた作品である。

また本作は、ジム・オルーク(コントラバス)、ジョー・タリア(パーカッション)とのコラボレーションで制作され、舞踊家であり振付家でもある藤村隆一が風刺的な短歌を披露。ジム・オルークによるミックスは、石橋の様々な音源と絡み合い、立体的な効果を生み出している。

Eiko Ishibashi 『百鬼夜行』

2020.7.24 Release
Black Truffle
BT064

1. Hyakki Yagyō Part 1
2. Hyakki Yagyō Part 2

カラー・ヴァイナル
石橋英子によるライナー・ノーツ入り
インナー・スリーブ付きデラックス・パッケージ

ジャケットデザイン:阿部周平
ミックス&マスタリング:ジム・オルーク

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