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コヤマリョウのSKY(サブカルクソ野郎)/ 漫画「のだめカンタービレ」~才能の有無~

radioDTMリスナーの皆さん、お疲れ様です。
コヤマリョウです。
暑い。馬鹿なんじゃないか、と思う位に暑い。
なるべく何処にも行きたくない。
冬になったらなったで今度は「寒い」と言って、同じように出掛けたくなくなっている。
つまり、基本的に出掛けたくない。
そんな私達の安息の地。そうだね、もう分かったね。
せーのっ、
\\漫画喫茶//
そうだね、マン喫だね。
あそこは良いね。常にエアコンが効いているし、好きなジュースを飲んで良いんだ。
何より、あそこには敵はおろか職場の嫌な奴の事も気にしないで、漫画を読んでいて良いんだ。

そんな訳で、溶けかかった脳みそを抱えて今日も私は漫画喫茶へ歩みを進めます。

 

このコラムでは私コヤマリョウが好きなモノを、文化人気取りでジャンルに拘らず節操無く紹介していきます。
あくまでも個人的な視点で対象に対して思った事・考えた事を書いていこうと思います。
このコラムで興味を持ってもらえたり、飲み会のネタの一つになってもらえれば光栄です。
テーマは「曝せ、SKY(サブカルクソ野郎)」です。

 

先日、夕方のドラマの再放送をちらりと見た事をきっかけに、
なんだか気になって久しぶりに読み返した漫画を今回は紹介します。
久しぶりに読んだら、意外な事に気が付きました。

その漫画がこちら、

「のだめカンタービレ」二ノ宮知子(講談社)

のだめ

ドラマ化・映画化もされたヒット作の原作漫画、
なので、皆さんも内容位ならご存知のはず。
まあ簡単に説明すれば、音大で出会った音楽の才能はあるけど人間的な問題を抱えた男女の話です。
自身の駄目な部分と向き合いながら、周りの人間とクラシック音楽を通して少しずつ成長していく話です。
「音楽を楽しむ事」を物語の主軸におき、音楽があれば性格の合わなかった人や歳の差・国境までも越えて、分かり合えるきっかけになる。音楽は全てを解決はしないが踏み出す勇気にはなれる。
そんな音楽をきっかけに繋がった人間模様が描かれた作品です。

人間のドロドロとした感情もサラッとした台詞で言い当て、すんなり読める。努力をして自分を新しい世界に連れて行くサクセスストーリーもしっかり書かれている。更にクラシック音楽の知識も分かりやすく書いてあって、私はかなり好きな漫画です。
が、
この度なんとなく読み返してみたら、この漫画の恐ろしい部分を見付けてしまいました。
この漫画は優しい人間が多く登場しギャグ要素も盛り込まれていますが、
それに隠れて、才能の有無に関する切り捨てがとてもシビアに描かれていました。

音楽は楽しむのが大前提、として、
それと同時に、「あなたの音楽の才能はここまでです」としっかり見せつける冷酷さが、実は端々に顔を覗かせていました。
もっと高みへ行きたいのなら努力は最低条件、でもその先には生まれ持った資質もかなり重要であると見せつけ、簡単に取捨選択が行われる。

そして、物語は最後まで読むと、そのシビアな恐ろしさはある意味「優しさ」であったと気が付く。
全力で物事に取り組むと、先のステージへ行ける人もいれば限界を感じてしまう人もいる。
その後者の人達に対して「努力は必ず報われるとは限らない」と分からせた上で、
その努力が出来るエネルギーを次は何に向けるの?と優しく問いかけてくるのが、この作品の裏テーマのように感じました。

 

私は涼しい漫画喫茶の中で、
人間的には問題はあるが圧倒的な才能で世界を広げて行く主人公を見せる、
そんな弱者の救済方法を知りました。

何だって良い、何かやろう。
少なくともそう思わせてくれる作品だと思って、
この漫画をオススメします。

暑いとか寒いとか嫌だとか言っても、とりあえずやろう。
とりあえずやろう、と思える事は少なくとも自分にとっては良い事だ。

 

【コヤマリョウ】

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